為替の種類

為替の種類

為替手形

為替手形とは、手形の振出人(発行者)が、第三者(支払人)に委託し、受取人またはその指図人に対して一定の金額を支払ってもらう形式の有価証券のことです。略称で為手(ためて)ともいわれます。ここでは、為替手形特有の内容についてまとめました。

為替手形の特徴

為替手形は、遠隔地との取引をする際(特に輸出入)、現金を直接送ることの危険を避けるために用いられることが多くありました。日本の商慣行では、江戸時代の遠距離取引においては為替の手段として今日の為替手形と同様の物が用いられていましたが、現在の国内取引の決済手段としては、ほとんど用いられません。債権者が債務者に引き受けさせ、期日に支払いをさせるといった、融資の手段として用いられます。

印紙税

印紙税は「手形を完成させた」者が納付することを利用し、支払人欄に署名し振出人欄を空欄とした為替手形を約束手形の代わりに受取人に交付することがあります。この場合、受取人は、手形要件の記載を欠かないよう、振出人欄に自ら署名せざるをえないので、印紙税を負担することになります。貿易取引に用いられるB/E(BillofExchange)は、為替手形です。

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自己宛為替手形

為替手形による取引は振出人、受取人、支払人の三者が介在する取引ですが、振出人と支払人が同一である為替手形を自己宛為替手形と呼びます。会社組織としては同一で、個別に帳簿を備える支社・支店・工場などが本社や他の支社などを支払人として振り出す為替手形が該当します。印紙代がかからないため、節約のためにも用いられます。

郵便為替

郵便為替(とは、2007年10月1日に実施された郵政民営化以前に、郵便為替法に基づき、日本政府(逓信省・郵政省・総務省郵政事業庁)・日本郵政公社が行っていた送金に関する事業のことです。郵政民営化後、株式会社ゆうちょ銀行が「為替」という名称で同様のサービスを提供されていますが、「郵便為替」と「ゆうちょ銀行の為替」は法律上・制度上、別物です。

郵便為替の概要

郵便為替は、郵便為替法に基づき「簡易で確実な送金の手段としてあまねく公平に利用させることによつて、国民の円滑な経済活動に資すること」を目的として、公社化以前は郵政大臣(総務大臣)が管理する国の事業、公社化後は日本郵政公社が行う事業でした。なお、国際郵便為替については、公社の指定した「国際送金取扱郵便局」でなければ手続きをすることができませんでした。

内国為替と郵便為替

「為替」とは「顧客から、隔地者間で直接現金を輸送せずに資金を移動する仕組みを利用して資金を移動することを内容とする依頼を受けて、これを引き受けること、又はこれを引き受けて遂行すること」を意味している。民間金融機関では、全国銀行データ通信システム(全銀システム)のことを「内国為替制度」と称し、サービスを行っている。この制度は、預金口座を使うため、お金を受け取る側はもちろんのこと、場合によってはお金を送る側も預金口座を保有する必要がある。

郵便為替と窓口

その一方で「郵便為替」は公社が為替証書を発行したり電文により送金をすることから、お金を送る側・受け取る側一方または双方が郵便貯金・郵便振替口座や民間金融機関預金口座を保有していなくても送金をすることが可能ですが、公社のみが取り扱うことができる事業のため、必ず郵便局貯金窓口で手続きをしなければなりません。

労働基準法と郵便為替

なお、労働基準法では使用者が労働者へ支払う「賃金」は原則「通貨(現金)」で支払わなければならないと規定されていますが、このうちの「退職手当」については労働者の同意を条件に「郵便為替」により支払うことが認められています。

郵便為替と取扱郵便局

郵便為替は、郵便為替法第1条により、「簡易で確実な送金の手段としてあまねく公平に利用させること」と規定されていたことから、公社が「為替非取扱い郵便局」として定めた郵便局を除き、日本全国全ての郵便局の貯金窓口において取扱いが行われました。非取扱い局して指定された郵便局では「郵便為替業務を取り扱わない」旨の掲示が行われました。簡易郵便局では農協(JA)の店舗に併設されている簡易局などで郵便為替業務の全部又は一部を受諾しておらず、取り扱わない簡易局が存在しました。

郵便貯金と郵便為替

また、郵便貯金はCD・ATMを使うことが可能であり、平日の貯金窓口営業時間外や土・日・祝日でも利用することが可能でありますが、郵便為替については、必ず郵便局貯金窓口において振出(為替証書を作ってもらうこと)や払渡(為替証書を換金すること)請求をする必要があることから、原則、平日9時~16時に郵便局で手続きをしなければなりませんでした。

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郵便為替の種類

郵便為替法第7条により郵便為替には、普通為替、電信為替、定額小為替の3種類があると規定されていました。また、電信為替には払渡方法として、証書払、居宅払、窓口払の3種類が存在しました。

普通為替
普通為替は、差出人(お金を送る者)が指定した1円以上500万円以下(郵便為替法第16条では、100万円以下ですが、同条で「業務の遂行上支障がない場合」にあっては500万円以下となっています)の額面で為替証書が発行されます。
電信為替
電信為替は、送金に関する情報を電信で通知することで送金を行う方法であり、普通為替同様、1円以上500万円以下(郵便為替法第16条では、100万円以下ですが、同条で「業務の遂行上支障がない場合」にあっては500万円以下となっています)の金額を送金することができます。また、電信為替には払渡方法として、証書払、居宅払、窓口払の3種類が存在しました。
定額小為替
定額小為替は、公社が定めた金額(郵便為替法第10条では1万円を超えない範囲内と定められている)が印刷された定額小為替証書に郵便局貯金窓口において振出日附印を押印をすることによって発行されます。

郵便為替の換金方法

証書払
電信によって通知された情報をもとに作成された電信為替証書を受取人の所在地を管轄する集配郵便局から速達郵便(10万円を超える場合は速達配達記録郵便)で受取人へ配達し、受取人が郵便局貯金窓口へ出向き電信為替証書を換金する方法です。
居宅払
電信によって通知された情報をもとに為替金額を受取人の所在地を管轄する集配郵便局から速達現金書留郵便で受取人へ配達する方法です。他の為替送金方法では、受取人は必ず郵便局貯金窓口に出向き払渡(換金)の手続きをしなければなりませんが、この方法を利用すれば受取人が郵便局へ出向かなくても現金を手にすることができます。
窓口払
電信によって差出人が指定した郵便局へ情報を通知し、その郵便局貯金窓口に受取人が出向くことで現金を受け取る方法です。

国際郵便為替

公社は、郵便為替法、郵便為替に関する条約、国際郵便為替規則(郵政省令・総務省令)に基づいて、国際郵便為替(InternationalMoneyOrder)を「国際送金取扱郵便局」にて取り扱いました。「国際送金取扱郵便局」で受付をした請求は、原則、東京貯金事務センターで処理が行われ、国際送金が行われました。

国際郵便為替の料金

料金(国際送金手数料)は通常為替・払込為替共に2500円ですが、米国へ通常為替を送る場合のみ、請求をした国際送金取扱郵便局においてその場で発行される(通常為替「証書交付」扱い)ため、料金は2000円でした(米国以外への通常為替は、全て東京貯金事務センターにおいて発行処理をするため、「証書交付」扱いはできません)。

ゆうちょ銀行と為替

2007年10月1日の郵政民営化に伴い、株式会社ゆうちょ銀行が発足し、「為替」という名称で「郵便為替」と同様のサービスを提供しています。しかし、郵便為替法が廃止されたため、「郵便為替」と「ゆうちょ銀行の為替」は全く別の法律・制度で発行されています。そのため、為替に関する文書類(為替振出請求書、為替証書類)には印紙税が課されると共に、権利消滅も普通為替・定額小為替共に発行日から5年間となりました。また、電信為替は制度自体が廃止されました。

郵便局巡りと郵便為替

郵便局巡りを趣味としている者のなかには、郵便為替を収集している者もいます。普通為替は、振出請求をすると証書に郵便局の主務者印が押印されるため主務者印収集をする者が購入します(株式会社ゆうちょ銀行発足後、主務者印の押印は廃止された)。そのほか、窓口端末機CTMの無い簡易郵便局では手作業によって普通為替証書が発行されるため収集する者がいました。定額小為替証書は、振出請求をすると証書に郵便局の為替日附印が押印されるため為替日附印収集をする者が購入します。